アンコールワットに行ってきました

夏休みに三世代で、カンボジア+タイを旅行した記録

DAY15 [2]パキスタン人のおじさんの宝石店再訪

 
階下におりて広々とした売り場を見ると
パパさんは初めてミネラルフェアにいったときみたいに
「わあ、こういう世界があるんだ」と感動していた。

去年行ったインド系の、白髪おじさんの店にいって挨拶した。
この店でたろさんは、去年見せてもらった宝石のセットが
まだ気になっていて、もう一度来たのだった。

その宝石のセットは、インドの伝統的なお守りの一種で
9種類の星になぞらえた石を、ひとつの箱におさめてある。
たとえば太陽はルビーで、サファイヤは土星
月はパールといった感じ。
インドのひとはこれを赤ちゃんへのプレゼントにしたり
指輪に全部の石をセットして身につけたりするそうだ。
お店の白髪のご主人も指輪を身につけていた。

なにぶんいくつもの石をまとめてあるので
お値段もなかなかよくて、
すごく小さい石のセットが800バーツ(これは石が小さすぎて
カットが難しいので、そのせいでかえって少し高いのだそう)
少し大きいのだと500、
それより大きいのがまた800。
もっと大きいのもあって、これは1600で売ってるけど
君には800にしてあげようとか言われた。
でもたろさんは、いきなり800バーツ(2700円ぐらい)を
出す勇気がなくて、ちょっと考えて戻ってきますといって
一旦店を出た。

お盆のせいか日本人がちらほらいた。
なんか、ブランドものでかためた奥様グループもうろうろしていた。
地下一階は比較的廉価で、指輪やネックレスになっていない
ルース(裸石)とかを売ってるエリアなので、
お気に召すものはあまりないんじゃないかなあ。

そのあと、これまた去年もお世話になった
パキスタン人のおじさんのお店に行ってみた。

挨拶したら、とても歓迎してくれて、
「今日は何がほしくてきたの?」というので、
「特にほしいものはないんだけど、あなたに挨拶したいと思ってきたんです」
といったら、よろこんでくれて、またいろいろと
彼の自慢の品々を見せてくれた。

 

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その中でたろさんは、葉っぱの形に彫ったルベライトがとても気に入った。
そのルベライトは1カラット300バーツということで、
ちょうど1カラットのがあったので300バーツで買った。

おじさんはブラックトルマリンの原石をプレゼントするよっていって
1個おみやげにたろさんにくれた。

私たちがみていたら、「お茶をごちそうしよう」
と言ってくれたんだけど、申し訳ないので辞退して
石を見ながら世間話を続けた。

そうしたらしばらくして
「頼むよ、ごちそうさせておくれ。
とてもおいしいお茶があるんだよ」と
もっと強くすすめてくれた。

こういわれて断ったらかえって失礼になる感じがしたので
それじゃあ、といただくことにすると
助手らしきひとにといってくれチャイをつくってきてくれた。

この建物のどこかに給湯室みたいな、お茶を入れられる設備があるんだろうか
それとも、インド人の多いビルだから
チャイを売ってる店でもあるのか・・・

この助手みたいなひとは去年はいなかったので、
あなたはご親戚?それともアシスタント?ってきいたら、
いま宝石について勉強中の見習いさんなんだって。

「彼が大学終えて宝石を学びたいっていうから、教えてあげてるんだ。
この子の名はモハメド・アリというんだよ。
まあ私も下の名はモハメドなんだけどね。
この上のほうの階には100万円もかかる学校があるけど、
私はただで教えてあげてるんだ。
こうやってみんなによくしていれば親切の木が育って
やがて私にもかえってくると信じているからね」とおじさんは言った。

この話にたろさんがくいついて、
「それだったらぼくも弟子入りしたい」っていったら、
「もちろん教えてあげよう。だけどその前にきちんと
勉強を終えてくること。勉強は大事だからね」
とおじさんは諭した。
これをきいてたろさんはすっかりその気になってしまった。

ただ、私たち2,30分ここにいたと思うけど
私たちと会話したのはおじさんだけ。
ハメドさんは私が問いかけても返事するのはおじさんだけで
ハメドさんが話す声をほとんど聞かなかった。

なぜか宝石店の助手というのは店のすみっこにいて
不気味に口をきかないひとが多いけど
あれはどういうルールが働いているんだろう。

たろさんがおじさんの助手になるとしても
ああいうちょっと抑圧された雰囲気で
何か月も暮らし続けなければならないとしたら
ちょっと心配だ。
まあ、社交辞令だし、本気で考える必要もないと思うけど。

 

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おじさんと記念写真をとって、
メールで連絡するね、といってカードをもらった。