アンコールワットに行ってきました

夏休みに三世代で、カンボジア+タイを旅行した記録

DAY05 [4] 遺跡正面の銃痕

 

聖池のほとりで休憩もう一回


第三回廊への階段は急で、
12歳未満は上ることができないので
けろりは私と残った。

 

私は一度以前おばあちゃんと来たときに上ったことがあるので
(と思っているが、おばあちゃんは上ってないと主張してたので
どっちが正しいかわからないけど)
私とけろりと、おじいちゃんおばあちゃんは
のぼっていくたろさんたちを見送った。


さっき飲んだジュースが早々と通過して
トイレが私を呼んでいる。


ほかのひとたちもそのようなので
第三回廊にのぼらなかった4人は
さっきと同じ聖池のほとりに向かった。


そして、さきほどと同じ店で
またジュースを2本買った。
今度は雨がやんでいたので、池のほとりで
椅子に座って飲んだ。


そしたら第三回廊を見終えたたろさんたちも戻ってきた。


この時点でおじいちゃんはもうだいぶ疲れてて、
第二回廊から戻ってきたときに
足がふるえてやばいというので
私が腕を貸しながら階段を降りた。


第一回廊全部見てないけど、まだまだ日数はあることだし、
今日の観光はここでおしまいにしよう。
というと、たろさんが
「銃弾の痕だけ見たいな」といった。

 

アンコールワットの銃痕


アンコールワットには、内戦中の銃の弾痕がある
という話をしていたが、これまで通ってきたところには
それらはなかった。


たろさんがどうしても弾痕を見たい、というので
おじいちゃんとおばあちゃんと
けろりは先に車にいって休んでるといって
先に出口に向かって出発していった。


回廊の正面側に出たところ、
銃痕はすぐにたくさん見つかった。

 

 

映画「地雷を踏んだらサヨウナラ


私とパパさんは、来るまえに
戦場カメラマン一ノ瀬泰造さんの映画
地雷を踏んだらサヨウナラ」を見てきている。


一ノ瀬さんは戦場の中でも露骨な残酷さを映すのではなく
戦士たちの悲哀、人々の暮らし、
戦場にありながらも人間の人間らしい一面を切り取った
作品を数多く残しているひとだ。

 


内戦中、占拠されたアンコールワット
なんとかカメラに収めようとしていて
クメールルージュに捕まり
スパイと見なされ処刑された。


一ノ瀬さんの人生を描いた映画のラストでは
浅野忠信演じる一ノ瀬さんが
クメールルージュの兵士に銃を向けられながら
アンコールワットに向けて駆け出すんだよね。

実際に一ノ瀬さんが処刑されて亡くなったのは
付近のプラダック村でのことらしいんだけど
傷だらけのアンコールワットの壁面を見ると
一ノ瀬さんはあれだけこだわりつづけたアンコールワット
見ることができたのだろうかと
しんみりした気持ちになった。


こんな貴重ですばらしいものを
愚かな内戦でこんなにしてしまって・・・と
情けない気持ちにもなった。

 

遺跡内は落書きがいっぱい


それから、遺跡内の落書きもすごく多かった。
20年前に来たときも多少落書きはあったけど
遺跡に傷をつける落書きが本当に増えていた。

人類の遺産だよ?!

宝石箱に入っていなくても
これは宝なんだよ。

「見せていただく」という気持ちを持たないやつは来るな!
と思った。
本当に情けない。

 

正門から駐車場へ

 

銃弾の痕を見てたろさんも満足したので
私たちも橋を渡り、駐車場へ向かった。

 

アンコールワット正面の橋は
いま老朽化のため修理を行っており
通行することができない。

そのため仮橋がかけられている。

おそらくは灯油缶のようなポリ容器を
たくさん組み合わせて浮かばせたような橋で
ゆらゆら揺れるわけではないんだけど
隙間から水が染み出るんじゃないかとか
あばれると壊れるんじゃないかとか
少しだけ不安になる橋だ。

 


橋を渡りきるあたりで
オレンジ色のTシャツを着た
私たちの運転手さんが目に入った。

おじいちゃんたちもその近くで待っていた。
車をとめた場所は少し遠くて
先におじいちゃんたちを車まで連れていくことが
できなかったらしい。

おじいちゃんは座ればお尻が痛くなってしまうので
ちょっと待っている間、堀の淵の石垣に腰掛けてのんびり
・・・ということができないから本当に大変だ。

 


少しあるいて駐車場の車までたどりつき
のりこんだら、ウィサさんがクーラーボックスを開いて
また氷でよく冷やされた水のペットボトルを
ひとりひとりに配ってくれた。

アンコールワット周辺は賄賂天国


なんだかんだでもう昼食にいってもいい時間だ。
昨日のLYLYの料理が気に入ったので
LYLYに連れていってくれるようお願いした。

ウィサさんにLYLY知ってる?ときいたら
もちろん知ってるとのこと。
ウィサさんも家族でたまに行くそうだ。
タケオゲストハウスからも近いしね。


「もしこのへんで食べたかったら
駐車場んとこに朝だけやってる
うまいクエティオやさんがあるんだよ」
とウィサさんがいうので、
アンコールワット周辺のレストランは高いってきいたけど
そのお店のクエティオはいくら?」
ときくと、
「1杯7ドル」
という返事が返ってきた。

7ドルのラーメンなんか日本でも食べないよ!
(いやそれは言い過ぎかもしれないが)
シェムリアップには
6ドルで焼肉食べ放題のお店があるんだよ?

「あの周辺は警察に賄賂を払わないと商売できないんだ。
だからどうしても値段は高くなるんだよ」
とウィサさんは言う。
「そこらへん歩いてる売り子も
賄賂を払わないと商売できないんだよ。
警察は公然と賄賂を集めてるから
ある意味ライセンスみたいなもんだ」


トゥクトゥクは年間5ドル、車は25ドル払わないと
アンコールワット周辺での仕事はできないらしい。

膨大な台数のトゥクトゥクや車が入ってきてると思うけど、
支払や、支払った証明をどうやって管理しているんだろう?
車検証みたいなシールでも貼ってるんだろうか。